髙山 知明 / たかやま ともあき

日本語音韻史、音韻論の問題を中心に研究しており、代表的な成果には、16世紀から18世紀頃の音韻変化の諸相(具体的にはチツ、ヂヅの破擦音化とその後のヂヅとジズの合流、濁音の前鼻要素の衰弱化など)の解明があります。江戸時代に入ると発音の仕方に直接ふれる文献が増え、その内容の違いは各文献の目的と深く関わります。文献での説明は言語現象を素直に反映するものではありませんが、それらを比較し分析的に読むことにより、過去の言語変化の具体相に光を当てることが可能になります。日本語の問題を、言語一般のあり方に照らし合わせて考えていく姿勢が重要であると考えています。日本語は数千年前まで遡ることはできませんが、過去の文献が多く残されている点で世界の言語の中でも恵まれた側に属します。歴史言語学の対象としての日本語の魅力は大きいと言えます。

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