博士課程後期(人間社会環境学専攻)の構成[定員 12名]

博士後期課程の勉学は,自ら掲げた研究課題に向けて, 文献資料の読み込みや実験データあるいは調査対象地での調査データなどの一次資料の収集とその分析が中心になり,授業はその研究指導の場です。一人ひとりの自立的な研究姿勢が学位論文の成否に直結します。本研究科で取得できる学位は,博士(社会環境学) ,博士(文学) ,博士(法学),博士(政治学),博士(経済 学),博士(学術) で,目指すのは大学教員・民間シンクタンク等の研究者や,企業・自治体の研究 能力を備えた高度専門職業人の養成です。

博士後期課程が求める人材像

博士後期課程の人材養成目的は、人間社会環境という多分野横断的な研究領域で活躍できる創造性豊かな大学教員、研究者、および高度専門職業人の育成です。したがって、研究科が求める学生は、それぞれの伝統的な学問分野における高い専門能力を持つだけでなく、それを基礎に、総合性を生かした視点から先端的な研究をさらに進めようとする気概のある人物です。とくに人間社会環境学は、「文化環境」、「社会環境」、および「人間それ自体」を研究対象とする多様な領域を教育研究するところですから、ここで学ぶ学生には、なによりも他者に対する開かれた態度、異文化に対する尊敬、それらに対する積極的な興味、未知の現象に対する柔軟な発想、そして論理性への強い志向を備えていることが求められます。

  • 人文学コース

    本コースでは,人間科学,教育学,歴史学,言語・文学,文化資源学など,人文科学の諸領域でそれぞれの専門的な研究を正面から行い,また関連分野を含む複合的領域に関して学際的・総合的な研究を進めて,何を対象としても新しい問題を発見して解決し得る力と,領域自体を新しく切り開く柔軟な知性の創出を目指します。古くから変わらない根源的な問いを問い続ける学問の基礎と,大きく発想を転換する知の源泉として,多様な科目を提供し,それらを組み合わせることで,革新的・横断的な研究 が推進されるようにします。

  • 法学・政治学コース

    法学・政治学コースは,基礎法学,公法学・社会法学,民事法学,政治学の研究を遂行する場です。基礎法学は,法の理念,歴史,外国法等の研究を通して,実定法学の土台を形成する役割を担います。公法学・社会法学は,国・地方自治体及び市民生活にかかわる法の解釈を,また,民事法学は,私人間の関係を規律する法の解釈を任務とします。政治学は,政治史,思想,メディアの機能等をふまえ,科学的な調査の方法も駆使しつつ,政治の理想と現実について考察します。院生は,上記のすべての分野の教員を擁する金沢大学において,個々の専門分野のこれまでの学問的蓄積をふまえつつも,広い視野に立ち,学界や実務の常識に対して挑戦するような,創造的な研究を遂行することが期待されます。