根津 由喜夫 / ねづ ゆきお

これまで、ビザンツ帝国史、とくに10-12世紀の政治史、社会史を中心に研究を行っています。プロソポグラフィーの手法に基づき、最新の印章学のデータを用いながら、コムネノス朝の成立に至る11世紀ビザンツ政治過程論を構築することが当面の課題です。さらに、文学作品や図像資料を活用してビザンツ人の心性を読み取る研究や、帝国のひとつの地域に着目して地域からの通史を描き出す試みなど、取り組むべき課題は多くあります。一見、現代人の目には不合理で愚かしく見える当時の人々の言動には、実際には、彼ら独自の一貫した論理構造が看取でき、そこから浮かび上がるビザンツ人の心象世界の全貌を解明することが将来の目標です。

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