山崎 友也 / やまざき ともや

「この憲法は,国の最高法規」であると日本国憲法は規定しています(98条1項)。したがって,「最高法規」に反するいかなる国法も無効となります。しかし,自分のことを一番強いと言うものが本当に最強だとは限りません。学説は,少なくとも二通りの仕方で憲法の最高法規性を証明しようとしてきました。第一は,国法秩序を超越する規範に「最高法規」の正当化を期待するという考え方。第二は,実際に「最高法規」に反する国法の効力を否定する違憲審査機関を創設するという考え方。しかし,第一の思考は,人間理性を超越した規範を想定することの困難,第二の思考は,違憲審査機関が「この憲法」を確定しかねない危険をそれぞれはらみます。 日々,憲法の最高法規性を十分に証明する理屈がないか考え続けています。

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