髙山 知明 / たかやま ともあき

これまで、私は、日本語の音の仕組みとその変化に関するテーマを中心に扱ってきました。例えば、そのうちの一つに、音の組合せ方の変化に関する問題があります。具体的にいうと、平安時代には「むくつけう思されて」の「けう」のように、euという母音の組合せが存在しました。それが時代を下ると、変化が生じて日本語からこの組合せは姿を消してしまいます。その他のパタンについても見ていくと、母音の配列に大きな再編が起こっていることがわかります。また、現代語を例に取ると、「場合」はしばしば bawaiと発音さます。これはどうしてでしょうか。日本語の問題といっても、これらはあまり人の興味を引くことではないかもしれません。しかし、日本語の構造という点では重要です。これらの現象、問題は(見つけるのは大変ですが、いざ見つけてみると)たいへん面白いです。もちろん、その解法に挑戦して空振りになることも少なくありませんが、何かの拍子に、はっと気づく瞬間が自分にとっていちばんどきどきします。

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